【Scrum】LeSS ~ 基礎知識編 ~

■ はじめに

アジャイル開発のスケーリング方法
https://dk521123.hatenablog.com/entry/2023/02/03/130808

で紹介した
大規模スクラム「LeSS (Large-Scale Scrum)」について、
調べてみた。

目次

【1】LeSS (Large-Scale Scrum)
【2】LeSS の 全体像
【3】LeSS の 原理・原則
 原則1:LeSS はスクラム (Large-Scale Scrum is Scrum)
 原則2:透明性 (Transparency)
 原則3:少なくすることでもっと多く (More with Less)
 原則4:プロダクト全体思考 (Whole Product Focus)
 原則5:顧客中心 (Customer Centric)
 原則6:完璧を目指しての継続的改善 (Continues Improvement toward Perfection)
 原則7:リーン思考 (Lean Thinking)
 原則8:システム思考 (System Thinking)
 原則9:経験的プロセス管理 (Empirical Process Control)
 原則10:待ち行列理論 (Queuing Theory)
【4】LeSS フレームワーク
 1)フレームワークの共通部分
 補足:1 Teamの適正人数

【1】LeSS (Large-Scale Scrum)

* 1つのプロダクトを複数チームで協働するためのスクラム
 => ここが、後述する『原則1:LeSS はスクラム』言われる所以か、、、

cf. LeSS; Large-Scale Scrum = 大規模スクラム

注意点

* 各々のチームがスクラムで、
 その上のレイヤーを載せたものではない
 => 正直「違うんだ。。。」って思った。

【2】LeSS の 全体像

[1] LeSS の 原理・原則
 => 後述「【3】LeSS の 原理・原則」を参照

[2] LeSS フレームワーク
 => 後述「【4】LeSS フレームワーク」を参照

[3] LeSS ガイド

[4] LeSS の実験

https://scrummaster.jp/less-complete-picture-script-jp/

【3】LeSS の 原理・原則

https://less.works/jp/less/principles/overview

重要だと思うのは、以下。
 + 原則1:LeSS はスクラム
 + 原則4:プロダクト全体思考
 + 原則6:完璧を目指しての継続的改善

メモ

* 「原則1:LeSS はスクラム」なら、
 スクラムにもある「原則2:透明性」
* 「原則3:少なくすることでもっと多く」は
 「原則7:リーン思考」の一部
* 「原則6:完璧を目指しての継続的改善」と
 「原則9:経験的プロセス管理」は、
 『継続』という意味では割と近い

原則1:LeSS はスクラム (Large-Scale Scrum is Scrum)

LeSS(Large-Scale Scrum)は、ベースは Scrumで
決して新しい物でもない
 => Scrum の知識があれば、導入は比較的にスムーズかも、、、

原則2:透明性 (Transparency)

全メンバーに対して、実際にDoneにしたアイテムなどを
明らかにしておくことにより、職場から恐れをなくす
 => これは、通常のスクラムでも同じ

原則3:少なくすることでもっと多く (More with Less)

ムダを減らすことにより、
本質的な部分(プロダクト)にフォーカスすることにより、
成果を生む

原則4:プロダクト全体思考 (Whole Product Focus)

* 以下で管理し、1つのプロダクトを作成していく
 + 1つのプロダクトバックログ
 + 1つの出荷可能なプロダクト
 + 1人のプロダクトオーナー
 + 1スプリント(複数チームで全チーム共通のスプリント)
 => 個人的に、ここ重要。

原則5:顧客中心 (Customer Centric)

顧客視点で考えて、作業の優先順位を含めて考える
 => 作業に追われて、意外と、これができない、、、

原則6:完璧を目指しての継続的改善 (Continues Improvement toward Perfection)

完璧(※)を目指して、各スプリントを、
謙虚に、根本的な改善を行い試行錯誤する

※「完璧」とは、例えば、、、
 + プロダクトをバグが無い状態で常に提供し続ける

 => 個人的には、「"完璧"を"目指す"」ってところが重要
 => 全ての物事に置いて「完璧」にはならないので
  そこに向かい、常に、謙虚で改善し続けることが重要かと。
 => また、別の見方で、完璧でなくていいから、
  まずは、LeSS を導入して、そこからスプリントごとに
  改善していくことも重要かと思った
  (本には、LeSSの導入には『「最初から」教科書的なLeSSの体制を作る』
   と書いてあるが、ある程度ざっくり勘所が分かれば
   導入して、スプリントを行いながら、改善するというやり方もありかと、、、)

原則7:リーン思考 (Lean Thinking)

ムダを最小限に抑え、顧客価値(※)を最大化すること
 => 別の言い方だと「無駄を省き、本質に集中する」
 => 他にも「標準なくして改善なし」とかもあるとか、、、

※ 例えば、顧客にプロダクトを早く提供する等

cf. Lean = 「贅肉のとれた」「均整のとれた」

* 以下の関連記事も参照のこと

https://dk521123.hatenablog.com/entry/2015/06/12/173800
https://dk521123.hatenablog.com/entry/2014/01/02/015056

原則8:システム思考 (System Thinking)

システム全体を俯瞰し理解し、最適化する

注意点

* システム全体の最適化であり、部分最適ではない

原則9:経験的プロセス管理 (Empirical Process Control)

継続的にプロダクトの検証と適応を行い、
プロセスなどを状況に応じて、柔軟に適切な方法で改善していく

cf. Empirical = 経験的な

原則10:待ち行列理論 (Queuing Theory)

待ち行列の理論を使い、自分たちの開発作業に対して
待ちタスクの大きさ、複数タスク、仕掛作業の上限などを管理する
 => この導入は、結構むずい、、、

(一般的な)「待ち行列理論」とは?

 お店や病院などのサービスを受ける際の待ち時間(Queuing)を
定量的に求めることを目的とした理論

【4】LeSS フレームワーク

[1] LeSS ... 2~8 Team <= ★今回は、こっちを扱う
[2] LeSS Huge ... 8 Team以上

1)フレームワークの共通部分

* 「1人のプロダクトオーナー」と「1つのプロダクトバックログ」
* 全チーム共通のスプリント
* 1つのリリース可能なプロダクトのインクリメント

補足:インクリメント とは?

* プロダクトゴールを達成するために作成された具体的な成果物

補足:1 Teamの適正人数

* 3 ~ 9 人で構成
 => 通常のスクラムとあまり変わらない
 => 通常のスクラムについては、以下の関連記事を参照のこと

https://dk521123.hatenablog.com/entry/2021/02/17/000000

参考文献

https://scrummaster.jp/
https://scrummaster.jp/downloads/Why-Scrum-Isnt-Making-Your-Company-Very-Agile-jp.pdf
https://www.atlassian.com/ja/agile/scrum/scrum-of-scrums
https://less.works/jp/less/framework/coordination-and-integration
https://www.atlassian.com/blog/teamwork/unlearn-five-fallacies-innovation
https://www.keystepstosuccess.com/wp-content/uploads/2021/08/book-3-green.pdf
https://slide.meguro.ryuzee.com/slides/80

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